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2026年9月23日
「血がサラサラになる薬を飲んでいます」「肝臓の数値が悪いと言われています」
インプラントの相談で、こう切り出される方がいます。そして多くの場合、「だから無理ですよね」と、ご自身で結論を出しておられます。
確かに、血が止まりにくい状態での手術には慎重さが要ります。ただ、それは「できない」とは違います。何を確認し、どう備えるかの話です。

出血が止まりにくい背景には、大きく分けて2つの経路があります。
ひとつはお薬によるものです。脳梗塞や心臓の病気の再発を防ぐため、意図的に血を固まりにくくしている状態です。これは治療の一環であり、本来あるべき状態です。
もうひとつは肝臓の働きによるものです。血を固める成分の多くは肝臓で作られています。肝臓の働きが落ちると、その生産が滞ります。ご自身に自覚がなくても、検査値に表れていることがあります。
この2つは対処が違います。だからこそ、どちらなのかをはっきりさせるところから始めます。
ここが最も大切な部分です。
歯科治療のために、ご自身の判断でお薬をやめないでください。
血を固まりにくくするお薬を自己判断で中断すると、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な事態を招く恐れがあります。歯ぐきからの出血より、そちらのほうがはるかに深刻です。
近年は、お薬を続けたまま処置をおこなうのが基本的な考え方になっています。出血は局所の処置で止められますが、薬をやめたことで起きる事態は取り返しがつきません。休薬が必要かどうかは、処方している医師が判断します。

| 確認する内容 | なぜ必要か |
|---|---|
| お薬手帳 | 種類と量によって備え方が変わります。市販薬やサプリも含めてお持ちください |
| 直近の血液検査の結果 | 血が固まるまでの時間や肝臓の状態を数値で確認します |
| 主治医への照会 | 手術の内容をお伝えし、注意点を書面でいただきます |
| 手術範囲の設計 | 一度の範囲を分け、出血を最小限に抑える計画を立てます |
とくに3つ目を省略しません。歯科の判断だけで進めるべきではない領域だと考えているためです。書面のやり取りに時間はかかりますが、そこは急ぎません。
手術そのものにも工夫があります。
歯ぐきを切開する範囲を最小限にする、傷口をしっかり縫い合わせる、止血する材料を使う、圧迫の時間を長めに取る。いずれも局所での対応ですが、組み合わせることで大きく変わります。
埋入する位置と角度を事前に設計しておくことも、結果的に出血を減らします。迷いながら進めるより、決まった位置に的確に進めるほうが、触れる範囲が小さく済むためです。歯科用CTのデータをもとに計画を立てるのは、そのためでもあります。

その場合も、当院から改めて照会させていただきます。手術の内容や出血の見込みを具体的にお伝えしたうえで判断していただくためです。口頭で「大丈夫」と言われた、という形では進めません。
自覚症状がないまま進むことが多い臓器です。健康診断の結果をお持ちいただければ、そこから確認できます。数値によっては、内科での再評価をお願いする場合があります。
ガーゼを噛んで圧迫していただきます。それでも止まらない場合はご連絡ください。血が固まりにくい方には、あらかじめ対応の手順をお渡ししています。うがいを繰り返すと固まりかけた血が流れるため、控えてください。
あります。入れ歯やブリッジであれば手術を伴いません。全身の状態によっては、そちらを先にご提案することもあります。手術ありきでは考えません。
全身の状態を理由に諦めてこられた方ほど、必要な情報が揃っていないことが多いように感じます。何が問題なのかがはっきりしないまま、「難しい」という印象だけが残っている状態です。
お薬手帳と、直近の血液検査の結果。この2つがあれば、話は具体的になります。松山市から通われている方にも、まずそこからお願いしています。
この記事の監修者
鎌倉 聡
愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長/歯科医師
日本口腔インプラント学会 専門医、ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医、日本歯周病学会 歯周病専門医
最終監修日:2026年9月10日
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