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インプラントは何本必要か|東予から通える専門医が、本数を最小限に抑える考え方を解説

2026年9月16日

奥歯を3本失った方が、インプラントの相談にいらっしゃったとします。

このとき「3本埋めることになるのだろう」と思われる方がほとんどです。ただ実際には、失った歯の数と、埋めるインプラントの数は一致しません。2本で済むこともあれば、逆に噛み合わせの都合で3本必要になることもあります。

東予からお越しになる患者様からも「何本入れることになるのか」というご質問をよくいただきます。この記事では、本数がどう決まるのか、どこまで減らせるのかを整理します。

資料を用いてインプラント治療の説明をおこなう歯科医師

本数が減らせるのは、橋渡しができるから

連続して歯を失っている場合、両端にインプラントを埋め、その間を人工の歯でつなぐ方法があります。天然の歯で行うブリッジと同じ考え方です。

複数の歯を失った部分にインプラントを埋入する方法を示した図

3本分の隙間に2本を埋め、真ん中を宙に浮かせる。この形が成立すれば、埋入する本数は1本減ります。手術の範囲が狭くなり、体への負担も軽くなります。

ただしこれは、両端の骨がしっかりしていることが前提です。支える側の条件が整っていなければ、橋は架けられません。

また、橋渡しできる距離にも限りがあります。間を空けすぎると、宙に浮いた部分がたわみ、支えている両端に無理な力がかかります。隙間が広い場合は、真ん中にもう1本足したほうが結果的に長持ちします。

飛び飛びに歯を失っている場合も、橋渡しは使えません。1本ずつ独立して埋めることになり、本数は失った歯の数に近づきます。連続して失っているほうが、本数を抑えやすいという点は、少し意外に思われるかもしれません。

総入れ歯の方の場合

歯がすべて失われている場合、本数の幅はさらに大きくなります。

下顎に2本のインプラントを埋入して入れ歯を支える方法を示した図

ひとつは、2本ほどのインプラントで入れ歯を留める方法です。入れ歯そのものは取り外して洗いますが、動かないよう固定されるため、外れる不安は大きく減ります。オーバーデンチャーと呼ばれる形です。

4本のインプラントで固定式の歯を支える方法を示した断面図

もうひとつは、4本前後を埋めて固定式の歯を入れる方法です。骨が多く残っている前方に集中して埋め、奥に向かって歯を伸ばす設計をとります。取り外しがなく、感覚は天然の歯に近づきます。

同じ「すべての歯を失った状態」でも、2本と4本では治療の性質がかなり違います。本数の話は、どこまで求めるかの話でもあるということです。

減らしすぎると、どうなるか

では少なければ少ないほど良いのかというと、そうではありません。

噛む力は、支えている本数で分け合っています。本数を減らせば、1本あたりが受け持つ力は増えます。ご自身の噛む力が強い方や、歯ぎしりのある方の場合、その負担が部品の緩みや破損につながることがあります。

また、噛み合う相手の歯がどうなっているかも影響します。上が総入れ歯なのか、天然の歯が並んでいるのか。相手が硬いほど、こちら側にかかる力は大きくなります。

本数を1本削ったせいで、数年後に作り直すことになれば意味がありません。減らすことは目的ではなく、条件が許せば結果としてそうなるという順番です。

手入れのしやすさも、本数で変わります

見落とされがちなのが、治療後の清掃です。

本数を減らして橋渡しにすると、歯と歯の間にすき間ができます。ここは歯ブラシだけでは届かず、歯間ブラシやフロスを通す必要があります。一方で本数が多ければ、その分だけ清掃すべき箇所も増えます。

どちらが楽かは一概に言えません。ただ、ご自身が続けられる手入れの形に合っているかは、設計の段階で確認しておく価値があります。インプラント周囲の炎症は、清掃が届かない場所から始まるためです。

本数は、何を見て決まるのか

当院では、次の4点を見て設計します。

見るところ 本数への影響
骨の量と質 埋められる位置が限られると、本数も配置も制約を受けます
失った歯の並び方 連続しているか飛び飛びかで、橋渡しができるかが変わります
噛み合う相手の歯 相手が硬いほど、支える本数を確保したくなります
噛む力の強さ・歯ぎしり 力が強い方は、本数を削らない設計を選びます

このうち骨の状態は、平面のレントゲンでは正確に分かりません。歯科用CTで立体的に確認し、どの位置に何本入れられるかを事前に設計します。設計が精密であるほど、無理のない範囲で本数を抑えられます。

逆に言えば、検査をせずに「何本必要です」と答えることはできません。相談の段階で本数を聞かれても、当院では検査結果を見てからお伝えするようにしています。

よくあるご質問

Q. 一度に全部を手術するのですか

本数や範囲によります。まとめて行えば通院回数は減りますが、体への負担は一度に集中します。複数回に分ける方法もありますので、生活の都合を含めてご相談ください。

Q. あとから本数を増やすことはできますか

状況によっては可能ですが、あとから足すことを前提に設計すると、位置の自由度が下がります。将来的に増やす可能性があるなら、最初の設計段階で伝えていただくほうが選択肢が残ります。

Q. 他院で言われた本数と違うことはありますか

あります。検査の内容が違えば、見えている条件も変わります。橋渡しの設計をどこまで採るかという方針の差もあります。数字だけを比べるのではなく、なぜその本数なのかを確認されることをおすすめします。

Q. 本数が決まるまでにどれくらいかかりますか

検査そのものは初回でお受けいただけます。データをもとに設計し、ご説明するまでを含めて、初診から数回のご来院を見込んでいただければと思います。東予からお越しの方には、通院がまとまるよう日程を組んでいます。

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出典・参考資料

  • 日本顎口腔機能学会『インプラント義歯装着者の機能評価のガイドライン』2022年
    https://jssf.umin.ne.jp/
    同ガイドラインでは、咬合力計で測定した最大咬合力が全部床義歯装着者群よりインプラントオーバーデンチャー装着者群で有意に大きいと報告されています。ただし測定方法によって結果は異なり、単一のインプラントでは反対側の天然歯列より小さいとする報告もあります。

この治療は自由診療です(保険適用外)

標準的な費用:臼歯 1本 506,000円(税込)/前歯 1本 550,000円(税込)。All-on-4 片顎オペ費用 1,980,000円(税込)※上部構造費用別(メタルフレーム 682,000円(税込)、ジルコニアフレーム 1,617,000円(税込))。骨を増やす手術(GBR)を併用する場合は1本につき88,000円(税込)、ソケットリフト88,000円(税込)、サイナスリフト440,000円(税込)、ブロック骨移植1本220,000円(税込)が加算されます。

治療期間・回数:標準的な治療期間は3〜6か月、来院回数は5〜7回程度が目安です。骨を増やす処置を併用する場合はさらに数か月かかります。

リスク・副作用:副作用・リスクは術後の腫れ、痛み、出血など。まれに神経の損傷によるしびれが生じることがあります。インプラント周囲炎を防ぐため、治療後も定期的なメインテナンスが必要です。

費用は2026年8月時点のものです。治療結果には個人差があります。詳細は診察時にご説明いたします。

この記事の監修者

鎌倉 聡

愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長/歯科医師

日本口腔インプラント学会 専門医、ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医、日本歯周病学会 歯周病専門医

最終監修日:2026年9月11日

  監 修 : 
医療法人 愛媛インプラントクリニックかまくら歯科
院長 鎌倉 聡(歯科医師/歯学博士)
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本口腔インプラント学会 インプラント専門医
ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医
最終更新日 : 
2026年09月11日

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