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笑うとき、口元を手で隠していた|上の前歯をインプラントで取り戻すまで

2026年9月18日

患者 60代・女性
治療部位 上顎前歯(インプラント)
治療期間 初診 2025年10月 → 手術 2025年12月22日 → 上部構造装着 2026年9月(約11ヶ月)
費用 1,000,000円(税込 1,100,000円)/自由診療

前歯だけは、ごまかしがきかない

秋に来院された60代の女性の患者さんです。

奥歯であれば、多少の不具合は「反対側で噛めばいい」で済ませられます。けれど前歯は違います。話すとき、笑うとき、食事をするとき——常に人の目に触れる場所にあります。

初診時の口腔内写真

初診時の口腔内写真。上顎前歯部は変色と適合不良が見られ、噛み合わせの面でも問題を抱えていました。

初診時、上の前歯には長く使われてきた補綴物が入っていましたが、歯ぐきとの境目は黒ずみ、支えている歯そのものにも限界が近づいていました。

前歯のインプラントが難しい理由

奥歯のインプラントと前歯のインプラントは、同じ「インプラント」でも、求められるものが違います。

奥歯に求められるのは、何よりも噛む力に耐えること。多少形が違っても、外からは見えません。

一方、前歯に求められるのは、噛む機能に加えて見た目の自然さです。歯の色や形はもちろん、歯ぐきのラインが左右で揃っているかが仕上がりを大きく左右します。

そして前歯は、骨が薄いという構造上の難しさも抱えています。歯を失うと、その部分の骨は外側から吸収されて痩せていきます。骨が痩せれば歯ぐきも下がり、隣の歯と比べて歯が長く見えたり、境目に隙間ができたりします。

だからこそ、前歯のインプラントでは、埋入する位置と深さ、そして歯ぐきの形づくりに時間をかける必要があります。

12月22日、埋入

事前の検査で骨の厚みと形、隣の歯の根との距離を確認し、最終的な歯がどの位置に並ぶかを想定したうえで埋入位置を設計しました。

前歯のインプラントは、「骨があるところに入れる」のではなく、「最終的な歯を美しく並べられる位置に入れる」ことが原則です。順序が逆になると、後から見た目を整えるのが難しくなります。

2025年12月22日、上顎前歯部にインプラントを埋入しました。

待ち、そして形を整える

埋入後は、骨との結合を待つ期間に入ります。

この期間、前歯の症例では仮歯が重要な役割を果たします。見た目を保つためだけではありません。仮歯の形を少しずつ調整することで、周囲の歯ぐきを望ましい形へと誘導していくのです。この工程を丁寧に行うかどうかで、最終的な歯ぐきのラインが変わってきます。

2026年9月、最終的な歯へ

歯ぐきの形が安定したのを確認し、最終的な上部構造を装着しました。

治療後の口元

治療後の口元。上顎前歯部の形態と色調が整い、歯ぐきのラインも周囲と調和しています。

治療後の口元(正面)

正面から見た状態。上下の前歯が自然に噛み合っています。

どこにインプラントが入っているのか、写真からは分かりにくいのではないでしょうか。前歯の治療における「成功」とは、まさにこの——治療したことが分からない状態を指します。

初診から、約11ヶ月が経っていました。

治療後に気をつけていただきたいこと

前歯のインプラントで長期的に気をつけたいのは、歯ぐきの退縮です。

インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきに炎症が起きれば、歯ぐきは下がります。前歯でそれが起こると、金属部分が透けて見えたり、境目に隙間ができたりと、見た目に直接影響します。

歯ブラシの当て方、歯間ブラシやフロスの使い方をご案内し、定期的なメンテナンスで歯ぐきの状態を確認しています。

前歯を治すことをためらっている方へ

前歯の治療は、「見た目が気になるけれど、大掛かりになりそうで踏み出せない」という理由で先送りにされがちです。

ただ、前歯を支える骨は、時間が経つほど痩せていきます。骨が十分に残っているうちに治療を始めるほうが、選べる方法も、仕上がりの自然さも有利になります。

まずは現在の状態を確認するところから始めましょう。検査とご相談だけでも構いません。お気軽にご相談ください。

医療広告ガイドラインに基づく表示事項

  • 治療名:インプラント治療(上顎前歯部/人工歯根埋入手術および上部構造の装着)
  • 治療内容:上顎前歯部にインプラントを埋入し、治癒期間中に仮歯による歯肉形態の調整を行ったうえで、最終的な上部構造を装着。
  • 保険適用の有無:自由診療(保険適用外)です。
  • 治療期間・回数:初診 2025年10月、手術 2025年12月22日、上部構造装着 2026年9月(初診から約11ヶ月)。骨の状態やお口の状況により個人差があります。
  • 費用:1,000,000円(税込 1,100,000円)。上記は本症例の費用であり、埋入本数や骨造成等の追加処置の有無により変動します。
  • 主なリスク・副作用:術後の腫れ、痛み、出血などが生じる場合があります。また、インプラント周囲炎を防ぐため、治療後の継続的なメンテナンスが必要です。そのほか、感染、知覚の異常、周囲組織への影響、インプラント体や上部構造の破損・脱落が生じる可能性があります。前歯部では、経過に伴い歯ぐきが退縮し、審美性に影響が生じる場合があります。
  • 治療結果について:本記事で紹介している症例は一例です。治療効果や経過には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
  • 症例写真について:掲載している写真は、患者さんご本人の同意を得たうえで使用しています。個人を特定できる情報は掲載しておりません。
監修 医療法人愛媛インプラントクリニックかまくら歯科 鎌倉 聡

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この治療は自由診療です(保険適用外)

標準的な費用:臼歯 1本 506,000円(税込)/前歯 1本 550,000円(税込)。All-on-4 片顎オペ費用 1,980,000円(税込)※上部構造費用別(メタルフレーム 682,000円(税込)、ジルコニアフレーム 1,617,000円(税込))。骨を増やす手術(GBR)を併用する場合は1本につき88,000円(税込)、ソケットリフト88,000円(税込)、サイナスリフト440,000円(税込)、ブロック骨移植1本220,000円(税込)が加算されます。

治療期間・回数:標準的な治療期間は3〜6か月、来院回数は5〜7回程度が目安です。骨を増やす処置を併用する場合はさらに数か月かかります。

リスク・副作用:副作用・リスクは術後の腫れ、痛み、出血など。まれに神経の損傷によるしびれが生じることがあります。インプラント周囲炎を防ぐため、治療後も定期的なメインテナンスが必要です。

費用は2026年8月時点のものです。治療結果には個人差があります。詳細は診察時にご説明いたします。

この記事の監修者

鎌倉 聡

愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長/歯科医師

日本口腔インプラント学会 専門医、ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医、日本歯周病学会 歯周病専門医

最終監修日:2026年9月11日

  監 修 : 
医療法人 愛媛インプラントクリニックかまくら歯科
院長 鎌倉 聡(歯科医師/歯学博士)
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本口腔インプラント学会 インプラント専門医
ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医
最終更新日 : 
2026年09月11日

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